鳳幼稚園

園だより(2015年1月)

2015年、平成27年、新しい年を迎えました。私にとっては71回目の、鳳幼稚園にとっては2回目の正月です。皆様方にとっては何回目のお正月でしょうか。
私たちは人類悠久の歩みの中で、年齢が違っても同じ歴史の一コマを享受しているというのはなんという偶然の縁でしょうか。その縁を大事にしながら豊かな人生経験を持つ者は浅い者たちへその経験や知識を引き継いでいく。この引き継ぎの儀式によって私たちのDNAが過去から未来へと一直線に伝わっていく。膨大な量の知識や学問も蓄積され、伝えられ、この面では確実に大きな進歩を遂げている。経済的な飛躍もまたしかりである。アフリカの様々な種族、国境を勝手に作られたと怒っている中東の一部の人たち、白人と戦いを繰り返したアメリカインディアン、ピサロやコルテスに蹂躙された南米インカの人々、そして民族大移動や宗教戦争を体験したヨーロッパの人たち、シルクロードを通って交易や悟りを追い求めた人々、大航海時代に命を懸けて未知の世界にあこがれた人たち、人減らしのために棄民と言われても新しい国に生活の糧を求めていった人々、過去、現在いろいろな人たちのお蔭で生活レベルは向上していった。少しは過去のしがらみが残るとはいえ、経済的にも生活していく上でも、だれも過去以上の水準を享受していることも確かだろう。卑近な例を挙げると、昭和30年代、今から60年ほど前、牛肉を食べることはほとんどなかった。100匁(モンメ)約375g、200円くらいであった。それを販売する店もほとんどなかった。すき焼きはお寿司と並んで大変なごちそうであった。1ドル360円、大卒初任給1万円(約30ドル、現在約20万円で1700ドル)ドルの値打ちが下がったのか、円の価値が上がったのか、又は別の原因なのか。ただ百貨店の手の届きそうもない垂涎の的だった欧州の商品が少し頑張れば、手に入ることができるようになったのは所得が上がった証左なのだろう。そして今、過去の日本人が経験した生活水準を低開発国として考えていた国々の人たちが受けるようになった。日本の大都会や観光地のホテルが外国人であふれているのはその証であり、アメリカ、日本、中国、低開発国と続く所得上昇の大きなうねりなのだろう。経済的、知識的に大きな進化や成長を遂げたとしてもそれは物質的な面だけであり、活字媒体やITの面で大きな進歩をしたとしても心や精神面で何らの大きな成果も得られていない。16世紀のイギリス人のサラリーマンが綴った日記は現代に十分通用するものであり、21世紀だからといって、それを凌駕するするものは見つけ難い。しかし古今東西何人も幼児教育の重要性を否定することはできないし、「三つ子のたましい、百まで」は自明の理であり続けている。過去も今も子育ては親にとっては大きな苦労であり苦悩であると同時に他のものに代えがたい幸福であり、喜びである。私たちは深くこの事象に係っているという喜び、自覚を肝に銘じ、日本の未来を託す幼子たちを見守り、道を踏み外すことなく立派に育てあげていく大きな責任の一端を背負っている。これからも全力で「子供第一」の強い気持ちを持って保育活動に当たってまいります。
今年わたしたちは次の目標を掲げてこの新しい一年間を頑張ってまいります。
1.子ども中心の保育を心掛ける。
2.保護者の皆さんも先生も満足し喜ぶような保育活動をする。
3.感謝、謙虚、素直さを忘れない。
4.コンプライアンス(法令順守)を心がける。
5.掃除、挨拶の徹底を図る。
これからの一年間、子ども達の笑顔、保護者の皆様の喜ぶ姿そして一緒に働いている仲間の喜び、充実感や達成感を探し求め、追い求めてまいります。新しい年、2015年が皆様方にとって本当に素晴らしい年、掛け替えのない年になりますよう心よりお祈り申し上げますと同時に温かいお力添え、ご指導、ご意見、時には慢心を戒める厳しいお言葉も頂戴いたしたく宜しくお願い申し上げます。