鳳幼稚園

園だより(2014年8月)

アルゼンチンが敗北した。惜敗とは言え、負けた。人はチームプレイに徹した又はこの日のために10年かけてチーム作りに取り組んだドイツが、比較的個人技による南米のチームに勝利したと論じた。又ほぼ白人の国、アルゼンチンに対して移民政策をとっているドイツの勝利と言う人もいた。労働力確保の為に数十年前からトルコやギリシャ等の南欧の国々やアフリカ諸国からの移民の流入を認めていた国、そして東ドイツと一緒に大帝国を築き上げたヨーロッパ一の経済大国ドイツ、東ドイツ出身のメルケル首相も応援に駆け付けたドイツ、片や南米第2位の国とは言え、経済力は日本の九州と同じくらい、そして今や再びデフォルトの危機に見舞われ、首脳がサッカー観戦どころではない経済困難国、アルゼンチン。東西ドイツの象徴、ブランデンブルグ門で大歓声のドイツ、一方Casa Rosada(大統領官邸)前の広場で悲嘆と失望に暮れるアルゼンチン。しかしこの国は過去ワールドカップ(Copa Mundial)に2回勝ち、西ドイツにも決勝で勝ったこともあるサッカー大国。45年前、取引先の上司に連れられて初めて行ったRiver Plate(リーベル プレート)の本拠地、サッカーを何も知らなかった私に衝撃を与えたその熱狂さ、ビジネスの世界ではサッカーの話は必要不可欠だと悟らされた。貧困から抜け出すためにサッカーをするのと違って、有名なクラブで競技をしたいためにサッカーに身を投じている懐かしい第2の故郷、アルゼンチン。対岸が見えない広いラ・プラタ河沿いで愛を語り合う恋人たち、中に飛行場がある広い広いパレルモ公園、強烈な暑さと砂漠と歴史の州、フフイ、フォークソングで有名なツクマン州、炎熱の地、サンチアゴ州、ワインで有名なアンデス山脈の麓、メンドサ州、ハッとするような美人の多いサンタフェ州、2番目に大きいコルドバ州、風光明媚な湖と山々に囲まれた南米のスイス、ネウケン州、荒々しい自然が残るパタゴニア、そして日本の東京と同じく一極集中が進む人口1100万人のブエノスアイレス州、2年余りにわたって駐在していた国アルゼンチン、23州全てを踏破した思い出が45年の時空を超えて今鮮明に蘇っている。今回は完敗、しかし4年後、8年後、12年後、3度目の頂点を目指してもう動き出しているだろう、国の力を結集して。さて、いろいろな事件が起こり人を不安に陥れている。ベネッセ(進研)の漏洩問題は小さな子供たちの一生涯について回るだけに深刻度が大きい。あの手、この手で個人情報を吸い取ろうとする企業と個人との対峙、私たち幼児教育に携わる者としては、これを他山の石として、教職員一同心して、取り組んでまいります。いよいよ夏休み、怠惰にただ時間を過ごすのではなくて、何か必ず一つのことをするという目標を持って取り組んでほしい。早起きでもいい、お父さんやお母さんのお手伝いでもいいし、新聞取りや水やりでもいい、何か習慣づけて達成できるものであればいいと思う。今年の夏はある意味両極端、新聞報道によれば、ボーナスは昨年比8%UPとか、アベノミクスの影響で企業の業績がV字回復し、それが働く人にまで及んできたとか。そうであれば少しリッチな気分で外出とか旅行とか自然を訪れる旅とかに行かれるのもいいかもしれません。しかし電力需要が逼迫して節電が要請され、家を新築したりして節約の世界に浸りきる人も多いのかもしれません。それはそれで子供たちの大きな勉強になるでしょう。節約は美徳? 消費は美徳?余裕があれば皆さんはどちらの美徳を選ぶでしょうか。今を我慢して将来に備えるか、今の今しかできない消費をするか。難しい選択です。毎年夏休みが明けるとこれが本当に夏休み前と同じお子様かと、びっくりさせられます。心から願うことはお子様たちがこの休みの間に、病気になったり、事故にあったり、様々な事件に巻き込まれたりすることなく、どんな過ごし方でもいい、毎日元気に子供らしく過ごしてほしい事だけです。9月、先生が首を長くしてみなさんが帰ってくるのを待っています。少しのお別れです。アルゼンチン流に言えば、チャオ、アスタ・ルエゴ、アスタ・ラ・ビスタ、アディオス、そして日本流に 又会う時までお元気でさようなら。