鳳幼稚園

園だより(2023年1月)

福寿草 遺産といふは蔵書のみ」高浜虚子。旧暦の正月、花のない乏しい寒期に咲く鮮やかな黄金色の花、そして新年を祝うめでたい「福」「寿」の文字、アイヌ伝説によれば、父君が選んだ婿の神を嫌って結婚を拒み、神の世界から追放されて、野の咲く花に変えられたクナウ。保護者の皆様の2022年はどのような年でしたか?思わぬ運が転がり込んできたり、反対に不運に見舞われた人もいたかもしれません。しかし大多数の皆さんはいつもの年と同じあまり変化のない年月だったのではと思います。私にとっては勝手に第二の故郷と考えているアルゼンチンがFIFAワールドカップで36年ぶりに優勝したことがいい出来事でした。最初に訪れた53年前のサッカーの熱狂ぶりからして、痛いほどその感激ぶりが伝わってきます。当事者には全然わからなくても、世界には勝手に、静かに応援する人がいることは誰もが認めることだと思います。それでは2023年はどんな年であって欲しいでしょうか?物価の急激な上昇が収まり、日常の生活が少しは楽になる、お子さんが無事進級、進学してほしい、懐かしい人に会いたい、いろいろな思いがいっぱいあると思いますが、突き詰めていけば、いつもと変わらない平凡さが一番かもわかりません。思いの10%位が実現し、50%も実現すれば、超感激でしょう。お子さんが健康で、勉強にスポーツに一生懸命取り組んでほしい、幸せや運がもっと来てほしい、そんな保護者の皆さんの願いに少しでも応えることができますように、私たちもこの2023年は様々な観点からSDGsへの取り組みも含めて、幼児教育を再確認していきたいと思っています。保護者の皆様に寄り添い、保護者の皆様からの厳しいご要望にも誠意を込めて取り組んでまいります。手を携えて子供たちの成長発達を図っていきましょう。その為にも「親の背中を見て、育つ」の諺通り、私たち大人が様々なことに努力し、子どもたちの模範になるような姿を見せなければなりません。さて国の根幹は教育です。戦後アメリカ軍は日本の教育を根本的に変えました。今でも、ある国では自由で主体的な教育を認めずに国民の意見を同一化しようとしています。「三つ子の魂百まで」、その時期から徹底的に負の教育をされたら、いったいどんな意見を持つ子が育つのでしょう。日本はある意味恵まれていますが、自由の中にも一定の規律が必要であるのは言うまでもありません。「何事にも努力すること」「礼儀作法を身に着けること」「日本の歴史を学び、伝統的歴史文化に誇りを持つこと」日本人が日本人であることの規範であり、証でもあると思います。コスモポリタンの中にあってもやはり「日本人は違う」というアイデンティティが必要です。残念ながら日本の少子化は止まりません。2022年の出生数は80万人を切ることは確実です。周りを見ても幼児の少ないことに驚きです。そんな中で子どもたちはますます自立の必要性に迫られています。保護から脱却して独り立ちの世界です。子供たちの自立を促す意味で、私たちは何をなすべきか。その土台作りをしっかりと私たちは取り組んでまいります。何事にも挑戦する子どもたちを育てていきます。新年は不断に流れていく時間につけた一つの目盛りであり、命が新しくなる時です。足踏みせずに動き続けます。前進続けます。若さは可能性がいっぱいです。十分それを意識しましょう。年取ってその可能性に気付いたとしても、それを伸ばす力が失われていることが多い。アメリカの政治家で科学者のフランクリンは13の徳を言っています。1.節制 2.沈黙 3.規律 4.決心 5.倹約 6.勤勉 7.誠実 8.公正 9.中庸 10.清潔 11.平静 12.純潔 13.謙譲 私はこれに感謝と素直も付け加えたい。ある幼稚園の主任の先生がいみじくも語っていました。家族に感動を与えることができる幼稚園でありたい。子育ては一筋縄ではいかず、沢山の苦労があります。特に幼児期の保護者は心配事が山ほどあり、お母さんという立場の人は産後うつ、育児ノイローゼ等、体がマイナスな状態になるリスクを抱えながら子育てをしています。そんな中でこの幼稚園に入園させて良かった、母親(父親)になってよかった、子育ては大変だけれどもこんな経験をさせてもらえる園に入れてよかった。逃げ出したくなる日もあるけれど、お母さんになって本当に良かったと思っていただけるような園でありたい。
私たちもお母さんからゆるぎない信頼を得、頼ってもらえることができる幼稚園を目指して、2023年ひたむきに取り組んでまいります。本年も変わることのないご支援、お力添えをお願いいたします。